下部内視鏡検査(大腸カメラ)
大腸がんは予防できるにもかかわらず、大腸がんで亡くなられる方の数は1年で5万人以上に上り、2021年のがんによる死亡原因で大腸がんは、女性で1位、男性で2位と高いリスクを示しています。
淳風会ではがんの早期発見や予防に取り組んでおり、特に当院では、専門のスタッフと最新の機器による「苦しさや痛みへの配慮した安心の内視鏡検査」、「前処置から検査を通して快適な内視鏡検査」で、少しでも多くの方にこれらのがんのリスクを回避していただけるよう努めています。
「大腸がん」は予防できます
対象部位大腸(結腸と直腸)と小腸(回腸)の一部
下部内視鏡検査(大腸カメラ)では、肛門から内視鏡(先端の細くなったスコープ)を挿入し、ポリープやがん、炎症などを観察、診断します。検査の過程で組織の一部をとって調べる「病理組織検査/生検*」を行ったり、ポリープや早期大腸がんであれば、その場で切除や治療を行います。
なお、当院で処置・治療が困難な病変に関しても、信頼できる連携医療機関を紹介いたしますのでご安心ください。
大腸がんのほとんどは、腺腫という大腸ポリープから起こります。その腺腫を切除することで大腸がんは予防できます。当院ではポリープ切除術(ポリペクトミー/ポリペク)・内視鏡的粘膜切除術(EMR)により、発見された病変の90%以上が当日中に処置、治療されています。
大腸ポリープの早期発見・切除は、現在可能な最善の大腸がん予防です。
しかし残念なことに、健康診断や人間ドックで「便潜血陽性」「要精密検査」の結果をお受けの方で、実際に精密検査(内視鏡検査)を受けられる方は半数程度(淳風会の統計による)です。
つまり、予防・治療できるがんの半数が、今なお見過ごされているということになります。
予防できるがんをミスミス見逃さないためにも、特に健康診断や人間ドックで便潜血陽性の方は、一日でも早い大腸カメラによる検査をおすすめいたします。
*病理組織検査/生検について:当院では、消化管専用デジタル病理検査「パソネット」と契約しており、高解像度デジタルスキャナとインターネットを組み合わせることで、通常は10日以上かかっていた精度の高い病理検査結果を、数日でお伝えすることが可能になりました。パソネット
FACT SHEET – 大腸がんの現況
近年日本のがん部位別死亡数でも上位に位置している大腸がん。自覚症状のない早期大腸がんですが、検診や人間ドックで便潜血陽性の場合、大腸カメラは高い精度で有効です。
日本人のがん部位別死亡率
大腸がん
女 性:第1位
男 性:第2位
生涯の大腸がん罹患率
女 性:13人に1人
男 性:10人に1人
生涯の大腸がん死亡率
女 性:37人に1人
男 性:30人に1人
苦痛や下剤の煩わしさが当たり前だった大腸カメラは、今、苦痛やストレスの少ない検査へと変わろうとしています。そして、わたしたちが少しづつ変えていきます。
近年、検査機器の進歩や医療技術の発達、さらには検査環境の改善などにより、内視鏡検査は以前より苦痛や痛みが少なくなっています。少しでも多くの方に安心して内視鏡検査に足をお運びいただけるよう、日々向上に努めています。
当院ではこのような方が検査をされています。
- 苦しくない検査をご希望の方(専門医・細いスコープ・鎮静剤など)
- 専門医が検査します。
- 苦しくない細い内視鏡スコープを使用します。
- 最新の機材を使用します。
- 鎮静剤の利用が可能です。
- 快適な検査をご希望の方(専用個室・自宅洗浄・女性医師など)
- 検査室は全て個室です。
- お一人お一人専用の控室(個室)をご用意。
- 個室を使わず自宅洗浄*で検査のみの短時間の来院も可能。
*前処置の下剤による腸内洗浄をご自宅で事前に行います。 - 女性医師が在籍しています。
- 淳風会健康管理センターで要精密検査の方で「ワンステップ」の検査をご希望の方
- 健康診断や人間ドックで便潜血陽性の方
- 血便、便秘、下痢などの症状がある方
- 下腹部、大腸に不安のある方
- 親族に大腸がんの方がいる方
- 検診をご希望の方
- ご自宅で下剤を服用したくない方
大腸カメラでわかる主な疾患
- 大腸がん
- 大腸ポリープ(腺腫・非腺腫)
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
- 虚血性腸炎
- 感染性腸炎
- 大腸憩室
大腸カメラのながれ
当院ではご都合やライフスタイルに合わせて、3通りの検査プランをお選びいただけます。
- 1. 専用個室ご利用プラン
- 2. 自宅洗浄*プラン
- A. 早朝に自宅洗浄、午前中に来院・検査
(モーニング大腸カメラ) - B. 午前中に自宅洗浄、午後から来院・検査
- A. 早朝に自宅洗浄、午前中に来院・検査
各プランのながれは下のバー()をタップしてご確認ください。
- 専用個室ご利用の場合(タップして開閉)
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- 前日〜検査当日
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前日のお食事について
検査の前日の夕食はいつもより軽めにしていただき、アルコール類はお控えください。また、21時以降は何も食べないようにしてください。(お水やお茶は飲んでいただいても構いません。)
詳しくは「検査前日のお食事について」をご覧ください。
当日の朝は何も食べないでください。(お水・お茶は検査開始2時間前まではお飲みいただけます。)
当日朝の常用薬の服用に関しては、かかりつけ医にご確認の上、当センターにも事前にご相談ください。(高血圧のお薬、抗凝固薬など、注意が必要なお薬があります。)
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- ご来院/受 付
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一階受付から二階内視鏡センターにご案内
一階受付にて下部内視鏡検査(大腸カメラ)でご来院の旨をお伝えいただきますと、案内スタッフが二階の内視鏡センターにご案内いたします。
内視鏡センターのロビーにてセンターのスタッフが諸々お手伝いいたします。そちらで本日のながれや必要事項を説明いたします。
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- 専用個室へご案内
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本日お過ごしいただく専用個室へ
検査当日を快適にお過ごしいただけるよう、トイレを備えた専用個室を設けております。
スタッフが本日のお部屋にご案内いたします。
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- 前処置
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専用トイレ付きで安心の前処置
専用個室で検査着にお着替えいただき、大腸内をきれいにしていただく薬剤をお飲みいただきます。
個室には専用のトイレがございますので、他の方や便意のタイミングを気にすることなく前処置を行っていただけます。(前処置時間:約3時間)
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- 検査開始
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検査室にご案内〜検査
プライバシーが保たれたゆとりのあるスペースで熟練の医師が専門の看護師と検査を行います。痛みを和らげるための鎮静剤の使用も可能です。(検査時間:40分~50分程度)
また、早期がんなどはこの場でポリープを切除して対応いたします。
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- リカバリールームへ
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検査後のリラックスしたひととき
カーテンで仕切ることができる、半個室のリカバリールームで検査時の緊張や疲れを暫し癒していただきます。
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- 医師より説明
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検査や処置の説明を医師から行います
検査後の説明は、検査室と同じフロアの広々とした診察室で落ち着いて検査医より行います。
当院では90%以上のポリープを切除することが可能ですが、さらなる検査や治療を要する病変が発見された場合は、信頼できる当院と連携している医療機関を紹介いたします。
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- 再び専用個室へ
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検査説明の後は、それぞれの個室にお戻りいただきます
検査説明の後は、それぞれの個室にお戻りいただき、お帰りの身支度を行なってください。検査当日はお一人様専用個室につき、セキュリティーやプライバシーに関するご心配は無用です。
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- お会計・ご帰宅
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一階の会計にてご清算の後ご帰宅
これで全ての行程は終了です。気をつけてお帰りください。
なお、鎮静剤を使用された方で自家用車でお越しの方は、くれぐれもご自身では運転されないようご注意ください。(必ずご家族などお連れ様が運転してください。)
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- 前日〜検査当日
- 自宅洗浄の後にご来院の場合(タップして開閉)
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- 前日〜検査当日
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前日のお食事について
検査の前日の夕食はいつもより軽めにしていただき、アルコール類はお控えください。また、21時以降は何も食べないようにしてください。(お水やお茶は飲んでいただいても構いません。)
詳しくは「検査前日のお食事について」をご覧ください。
当日の朝は何も食べないでください。(お水・お茶は検査開始2時間前まではお飲みいただけます。)
当日朝の常用薬の服用に関しては、かかりつけ医にご確認の上、当センターにも事前にご相談ください。(高血圧のお薬、抗凝固薬など、注意が必要なお薬があります。)
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- ご自宅等で前処置
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「自宅洗浄」
ご自宅などで下剤を服用して前処置(腸内を洗浄)をしていただきます。(前処置時間:約3時間かかります。所要時間は前日までのお食事や体質などにより異なります。時間に余裕を持って前処置を始めてください。)
便がしっかりと透明になったら前処置は終了です。ご来院ください。(下剤の服用方法や、便の状態の確認方法は事前にスタッフが説明いたします。)
早朝に前処置を行っていただくことで、検査を午前中に終える「モーニング大腸カメラ」も可能です。
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- 受 付
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一階受付から二階内視鏡センターにご案内
一階受付にて下部内視鏡検査(大腸カメラ)でご来院の旨をお伝えいただきますと、案内スタッフが二階の内視鏡センターにご案内いたします。
内視鏡センターのロビーにてセンターのスタッフが諸々お手伝いいたします。そちらで本日のながれや必要事項を説明いたします。
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- 検査開始
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検査室にご案内〜検査
プライバシーが保たれたゆとりのあるスペースで熟練の医師が専門の看護師と検査を行います。痛みを和らげるための鎮静剤の使用も可能です。(検査時間:40分~50分程度)
また、早期がんなどはこの場でポリープを切除して対応いたします。
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- リカバリールームへ
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検査後のリラックスしたひととき
カーテンで仕切ることができる、半個室のリカバリールームで検査時の緊張や疲れを暫し癒していただきます。
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- 医師より説明
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検査や処置の説明を医師から行います
検査後の説明は、検査室と同じフロアの広々とした診察室で落ち着いて検査医より行います。
当院では90%以上のポリープを切除することが可能ですが、さらなる検査や治療を要する病変が発見された場合は、信頼できる当院と連携している医療機関を紹介いたします。
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- お会計・ご帰宅
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一階の会計にてご清算の後ご帰宅
これで全ての行程は終了です。気をつけてお帰りください。
なお、鎮静剤を使用された方で自家用車でお越しの方は、くれぐれもご自身では運転されないようご注意ください。(必ずご家族などお連れ様が運転してください。)
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- 前日〜検査当日
大腸カメラは検査数日前〜前日までのお食事が、前処置の所要時間や検査の精度に大きく影響します。検査前のお食事はこちらのページをご参照いただき、しっかりとご準備ください。
時間に余裕があり、検査の一日をゆったり快適に過ごしたい方は
院内の専用トイレ付き個室で前処置ができる、プライバシーにしっかり配慮した専用個室プランを利用していただき、検査の1日を快適にお過ごしいただくプランがおすすめです。(予約時にご相談ください。)詳しくは「大腸カメラ専用個室」をご覧ください。
滞在時間を少しでも短くしたい方/午後を有効に使いたい方は
育児やお子様のお迎え、介護やお仕事の都合などで丸一日は検査に費やせないという方は、早朝にご自宅等で前処置をしていただき、午前中に検査のみにお越しいただくことで来院時間を最小限に抑えて、時間を有効にお使いいただくプランがおすすめです。(予約時にご相談ください。)詳しくは「モーニング大腸カメラ」をご覧ください。
下部内視鏡検査(大腸カメラ)のながれについてはこちらの動画もご参照ください
ポリープ/がんとその切除について
ポリープやがんなどの病変は、大腸カメラにより高い精度で見つけることができます。
ポリープ/がんの発見頻度(2020年)
年 齢 | 受診人数 | 大腸がん | 大腸ポリープ | ||
男 性 | 女 性 | 男 性 | 女 性 | ||
40才代 | 538人 | 3.0% | 2.6% | 37.8% | 21.6% |
50才代 | 442人 | 6.4% | 1.0% | 53.1% | 32.6% |
60才代 | 337人 | 6.5% | 0.8% | 54.4% | 33.6% |
50代男性の場合
が ん:16人に1人
ポリープ:2人に1人
50代女性の場合
が ん:97人に1人
ポリープ:3人に1人
大腸カメラを受けた方のうち、実に2〜5人に1人の割合でポリープを発見! 年齢とともにその確率も上がっています。
小さながんは内視鏡治療だけで根治できます。
ポリープ/がん切除の一例
下の写真は便潜血が陽性で、大腸カメラで発見されたポリープがんです。ポリープの一部ががん化していましたが、「ポリペクトミー(ポリープ切除術)」により、内視鏡で完全に切除できました。
がんやポリープで大きくないものや広がっていない限局性ものは、検査当日、内視鏡だけで切除・治療が可能です。(入院は不要です。)
まずポリープの根元部分に注射をして切除部分を盛り上げてから切除する方法(内視鏡的粘膜切除術/EMR)もあります。