睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなることで体の低酸素状態が発生する病気です。当院では「簡易検査」および「精密検査」により個々の症状を特定し、具体的な治療を進めてまいります。
睡眠時無呼吸症候群について
このような方は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
- いびきがひどいと言われる
- 起床時、頭痛やだるさがある
- 昼間でも眠い
- 夜間に息が苦しくなる
- 夜中に何度も目が覚める
- 夜間の尿の量や回数が多い
- よく寝汗をかく
- 記憶力の低下
- 集中力が続かない など
睡眠時無呼吸症候群の種類
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)
上気道が閉塞して空気が通るスペースがなくなくなることにより、鼻・口で空気を出し入れできない状態で、睡眠時無呼吸症候群の方のほとんどがこのタイプに該当します。欧米人に比べて日本人は骨格、特に顎が小さいので気道が狭い為、上気道が圧迫されやすく、OSAになりやすい傾向があります。
また、肥満なども上気道のスペース確保に影響があると考えられます。
中枢性睡眠時無呼吸症候群
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の他にも呼吸自体の指令が脳から発せられない中枢性睡眠時無呼吸症候群というタイプもありますが、こちらはSAS全体の数パーセント程度と非常に少なく、メカニズムもまだ完全には解明されていません。
当院では、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の検査と治療を行っております。
睡眠時無呼吸症候群の原因
- 肥 満
- 過量の飲酒
- 寝 相(あおむけ)
- 鼻炎や副鼻腔炎などの鼻の症状
- 一部の睡眠薬 など
睡眠時無呼吸症候群の検査
簡易検査
まず当院にて自覚症状や睡眠の状態について、医師による問診を受けていただきます。
問診で睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、簡易の検査機器をお渡ししますので、自宅にて睡眠時にいびきや呼吸の検査をして、必要なデータを集めていただきます。
精密検査
簡易検査でさらにSASが疑われる場合は、専門医療機関、あるいはご自宅にて一泊二日の精密検査を受けていただきます。
この精密検査を受けて、睡眠時無呼吸症候群を確定し、個人個人に合った方法で治療を開始することになります。
睡眠時無呼吸症候群の治療
専用機器による治療
「CPAP(シーパップ)療法」
CPAP療法とは、CPAP装置からチューブ・マスクを介して、処方された空気を気道へ送り、常に圧力をかけて空気の通り道を塞がないようにすることで睡眠時無呼吸症候群を予防する治療法です。CPAP療法は対症療法であり根本的な治療にはなりませんが、現在もっとも有効な治療法と言われています。
CPAP療法を適切に行うことで、睡眠中の無呼吸やいびきが減少します。治療を続けることで、眠気がなくなる、夜間のトイレの回数が減るといったSASの症状の改善が期待されます。また、血圧の高い方ではCPAP療法による降圧(血圧を下げる)効果の報告もあります。
当院では、Philips社製の機器を採用しています(資料提供:株式会社フィリップス・ジャパン)
生活習慣の改善
飲酒量や、睡眠薬・入眠剤の使い方の指導、適度の運動や食事の取り方など、減量に関する指導、また睡眠時の寝相や枕の選択に関する指導などを通して、重症の睡眠時無呼吸症候群が軽減されたり、軽症の場合には、正常域近くまで改善する場合があります。
当院には栄養管理士、薬剤師が常駐しているので、食事やお薬の相談も、お気軽にお寄せいただけます。
マウスピースによる治療
マウスピース(口腔内装置)を装着することで、下あごが上あごよりも前に出るよう固定することで上気道を拡げて、無呼吸を改善できる場合があります。(マウスピースを使用する場合は、専門の歯科、口腔外科を紹介いたします。)